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外洋の鳥たち(フルマカモメ、ハイイロウミツバメ)
 先週、銚子で撮ったフルマカモメとハイイロウミツバメを載せます。いずれも外洋の鳥で間近で見られることは滅多に無いそうです。この日の外洋は大シケで波が防波堤を超えて港内に入るほどでした。このような時は港内に避難して来る外洋の鳥に会う事が期待できます。そのため(前回のブログにも書きましたが)近所でウミスズメが出ているにもかかわらず、ベテランBIRDER氏とともに銚子行きを決行しました。 結果は二種類の珍鳥に出会うことができました。

フルマカモメ  Nortern Fulmar 
 まず、フルマカモメですが、カモメといってもミズナギドリ目の仲間でカモメよりアホウドリのほうが近い鳥です。ミズナギドリの中ではカモメに似た体系のためか「フルマカモメ」というそうです。大きさもウミネコとほぼ同じ49cm程度です。北太平洋の亜寒帯全に棲息し日本では北日本の太平洋側沖合いで見られるそうです。白色型、淡色型、暗色型があり日本では暗色型が多いそうです。この個体も暗色型です。

フルマカモメ暗色型です。2羽確認できましたが、1羽は衰弱していましたがこの個体は比較的元気でした。
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風にのって飛び立ちます。羽がボロボロで荒波を超えて非難してきたようです。
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海面近くを飛ぶのはミズナギドリを思わせます。
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港内を 高く飛びました。
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まだまだ、元気に思われたのですが・・・
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次の日は消息がわかりませんでした。
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ハイイロウミツバメ Fork-tailed Storm-petrel
 北太平洋北部で繁殖し、日本では本州北部以北の沖合いに渡来します。ウミツバメは黒っぽい種類が多いのですが、本種は淡青灰色で見間違うことはありません。フルマカモメと同じくミズナギドリ目ですが、大きさは21cmほどです。この日は3羽いたそうですが、私が確認できたのは2羽でした。

ハイイロウミツバメ ツバメのようにひらひらと水上を滑空します。
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もう一枚 滑空写真
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手前にセグロ若のようなカモメがいますが、時おりハイイロウミツバメを追っていました。
その後、何と1羽のハイイロウミツバメは捕食されてしまったそうです。写真に撮られた方がいました。
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時々 足を水面につけて、また飛び立ちます。
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水面に降りました。
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波間にただよいます。このように間近(といっても50mは離れていますが)で見られることは滅多にないそうです。
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 後日談になりますが、私の行った土曜日には二種類とも元気に飛んでいましたが翌日の日曜日にはフルマカモメは発見されず、ハイイロウミツバメは衰弱した個体を間近に見られたそうです。日曜日も海は荒れていたようですので外洋に戻ったとは考えにくいので心配です。舳倉島でも銚子でも、滅多に見られない鳥を見ることができますが、長旅の途中で疲労しきっている場合が多く、そのような状況を考えると複雑な気持ちになります。自然の厳しさを感じるとともに野鳥たちのたくましさを感じます。なるべく遠くで、おどかさないように観察していきたいものです。
by harada5550 | 2009-12-20 23:47
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