昨年の5月に訪れた天売島。渡りの鳥と海鳥の両方の目的でたずねましたが、渡りの鳥はともかく、肝心の海鳥は波が高くボートからのウォッチングはできませんでした。そのため羽幌から天売島までの行き帰りのフェリーからの海鳥ウォッチングのみになり、それでもケイマフリ、ウトウ、ウミスズメ、オオハム夏羽などを見ることができそこそこ満足していました。
ところが、今年もこの時期になり、ふと昨年、天売島のボートに乗れなかったことを思い出し、間近に海鳥を見たいという気持ちが高まり、海鳥ベストシーズンの先週、思い切って出かけてきました。昨年と同じように天売島在住の自然写真家である寺沢孝毅氏のお世話になり、波の状態もよくボートからの海鳥ウォッチング&撮影ができました。 別名「オロロン鳥」の希少なウミガラス、赤い足ひれがかわいらしいケイマフリ、雛にあたえるイワシをくわえて帰巣するウトウ、繁殖羽の美しいウミウ、海上の可愛らしいウミスズメ等に会うことができました。陸鳥では定番のノゴマからコヨシキリ、シマセンニュウ、ベニマシコ、オジロワシ、声だけですがエゾセンニュウなど。その他コサメビタキ、アリスイ、コムクドリやウグイスもいて、数こそ渡りの時期に及ばないものの、充実した鳥見旅となりました。 ウミガラス(Common Murre) 通称「オロロン」です。北海道北部の国道231号232号は通称「オロロンライン」とも呼ばれ、人々になじみのある名前の鳥です。天売島では1963年には8,000羽が棲息しコロニーも見られたものの、その後激減して今年確認されたのは21羽だそうです。原因は、サケマス漁の魚網に引っかかったり、天敵であるオオセグロカモメやハシブトガラスによる雛の捕食だそうです。絶滅を食い止めるために棲息地の崖には多数のデコイと拡声器によるウミガラスの鳴き声を流す誘引作戦を行っています。 ボートの上空を旋回していましたが、着水するのはボートから遠い場所。なかなか近寄れません。 一見すると、「飛べるペンギン」といった感じです。 今回、幸運にも海上でウミガラスに会うことができました。ただし私が確認できたウミガラズは1個体のみ。昨年の12月にNHK番組「ダーウィンが来た!」でロシアサハリン沖の無人島「チュレニー島」のウミガラスを放送していました。その数、実に10万羽。環境省の2006年に見直されたレッドリストでは(CR)絶滅危惧ⅠA類ですが、多くいるところにはいるもんです。天売島でも再び繁殖に成功し、数多くの岩の上の「オロロン」や、飛び交う「オロロン」を見たいものです。
by harada5550
| 2011-06-18 11:28
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